「子どもには、小さいうちから英語に触れさせたい」
英語教育に関心を持つ保護者は多いものの、いつ始めるべきか、どんな方法が効果的かと悩む方も少なくありません。
この記事では、英会話スクール本部での勤務経験を持ちながら、母親として9歳と5歳のお子さんに「おうち英語」を実践しているWさんにリアルなお話を伺いました。
「おうち英語を始めたいと思っている方」や「やり方で迷っている方」の参考になりましたら幸いです。
専門知識と母親目線の両方から見るおうち英語
——お子さんが英語を始めた時期と、そのきっかけを教えてください。
上の子は3歳頃から家で少しずつ始めて、小学1年生からオンライン英会話を始めました。下の子は3歳からオンライン英会話を始めています。
きっかけとしては、私自身が以前、英会話教室の本部で働いていたことがあって、先生たちの研修をする立場だったんです。
その経験から、幼少期からの英語教育の重要性はよく理解しており、「英語は早いうちから始めた方がいい」という考えを持っていました。
——すごい経歴をお持ちですね。Wさんご自身は英語が得意だったんですか?
実は、大学で英語学を専攻していたので、学問としての英語には詳しいのですが、日常会話、特に子育てに関する英語表現は全く別物で、子どもたちと一緒に0から始めた感じですね。

英語学習の専門知識があっても、実際に子どもに教えるのは別の難しさがあるようです。完璧を目指さず、子どもと一緒に学ぶ姿勢で始めることが素敵ですね。
年齢と興味に合わせて進化するおうち英語英語遍歴
W家では、お子さんの年齢や興味に合わせて、様々なおうち英語の方法を試してきたそうです。
――最初はどのように英語に触れさせていましたか?
上の子が3歳頃は、DVDを使って一緒に英語の表現や単語を練習していました。『Goomies(グーミーズ)』というDVD教材があって、これがすごく気に入って見ていましたね。それを見ながら、出てくる表現や単語を一緒に復習する時間を作っていました。


年長(5歳)になると、だんだんDVDでの学習が合わなくなってきたんです。理解できないことがストレスになっていたようで。
そこでドリル型の教材に切り替えたら、意外とはまったんですよ。基本的な会話表現や単語を読み書きする形式のものを、楽しんでやるようになりました。そこから、読み書きを中心とした学習にシフトしました。
――上のお子さんはドリルが好きだったんですね。その後の進展は?
小学1年生になった時に、『英語をネイティブの先生から習ってみたい?』と子どもに聞いてみたんです。すると『英語はできないよりもできた方がいい』と話してくれて。
毎日はイヤだけど週1回ならやってみたいとのことで、オンライン英会話(QQEnglish
子どもの性格を考えると、集団授業では発言する機会が少なくなりそうだったので、1対1でできるオンライン英会話を試してみることにしました。送り迎えの必要がないのも大きな利点でした。
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――すばらしい感性を持ったお子さんですね。下のお子さんはどうでしたか?
下の子は、上の子がやっているのを見て3歳くらいから興味を持ち、『私もやりたい』と言ってくれたので、別のオンライン英会話を開始しました。
最初から学習というより遊びで取り入れたかったので、幼児向けレッスンのあるECCを選びました。



兄弟それぞれの性格や年齢に合わせて別々の方法を選択しているのがすばらしいですね。
子どもたちの反応と成長の様子
——オンライン英会話を始めた時、お子さんの反応はどうでしたか?
上の子は小学1年生から始めたんですが、最初は全く理解できなくて泣いてしまうこともありました。
『聞かれていることは分かるけど、答えられない』というもどかしさがあったようです。私もそばでサポートしていましたが、やはり難しかったみたいで……。
でも不思議なことに、『やめたい』とは言わなかったんです。悔しかったようで。『語学ってそういうものだから』と励ましながら週に1回はやると習慣づけて続けていたら、だんだん慣れてきました。
その後、小学校でローマ字を習い始めたあたりから、急に英語の文字に対する理解が進んだんです。なんとなく英語が読めるようになってきて、現在はかなりスムーズにレッスンをこなしています。
――ドリルもそうですが、書くことで理解するのが上のお子さんには合っていたんですね。下のお子さんはいかがでしたか?
下の子は3歳から始めたので、最初はやはり画面から逃げたり、違うことを始めたりしていました。家なのでリラックスしすぎてしまうんですよね(笑)。先生が一生懸命話しているのに、こちらが気を使ってしまうような状況でした。
でもそれも半年くらい経ったあたりから、ようやくパソコンの前に30分座って、言われたことをやったり、歌を歌ったりできるようになってきました。
上の子に比べると早く始めたおかげか、英語で話しかけられることへの抵抗はなかったですね。
幼児向けオンライン英会話ってどんな内容?
――幼児向けのオンライン英会話は小学生向けとは違うものなのでしょうか?
学習というより遊びっぽい内容になっています。30分のレッスンで、予約時に毎回学びたい単語のジャンル(食べ物、乗り物など)を選べるので、本人がやりたいテーマを選んでおこなう形式です。
レッスンの内容は、
- はじめの歌
- 単語を使った簡単な表現のやりとり
- TPR(身体を動かす動詞学習)
- アルファベットの学習
- おわりの歌
というような感じで、子どもが飽きないよう充実した内容になっています。
継続は力なり!おうち英語を続けた成果は?
最初は泣いてしまうこともあったオンライン英会話。しかし、継続することで、お子さんたちには着実な成長が見られました。
――英語力の成長を実感した瞬間はありますか?
上の子は最近、レッスンでの会話がスムーズになり私のサポートがほぼいらなくなりました。以前は分からないと私の顔ばかり見て『助けて』という感じだったのが、今では『自分で先生と会話するから邪魔しないで』といった具合です。
自分で理解して会話できるようになり、どんどん新しい言葉を吸収しています。最初はまったく理解できなかったのに、今では普通に英語で会話のやり取りができていて、とても成長を感じます。
下の子は最初はほぼ全部日本語で返していたのが、最近は頑張って英語で言おうとするなど徐々に慣れてきています。
——お子さんのお友達で他にもオンライン英会話をしている子はいますか?
実は私の周りでは、オンライン英会話をやっている家庭はほとんどなくて、通学型の英会話教室のほうが人気です。『オンラインだと子どもが集中できないからダメ』という意見が多いんですよね。
確かに慣れるまで半年くらいかかりましたし、『お金がもったいない』と思って何度もやめようかと思ったこともありました。でも、今では続けてみてよかったと思っています。



まさに、継続は力なりですね。
親の役割は「伴走者」!子どもの意思を尊重し、サポートする
――これからおうち英語を始めようと思っている方へのアドバイスがあれば教えてください。
正直、私自身は理想と現実のギャップに悩んできました。英語は早ければ早いほど良いという知識はあったのに、育児の忙しさを理由に先延ばしにしてしまった部分もあります。
ただ、何歳から始めても、やっていればマイナスになることはないと思います。
大切なのは、子どもの意思を尊重し、お子さんに合ったものを探してあげることではないでしょうか。
最初は親の意思で始めることも多いと思いますが、段々と子ども自身の『やりたいこと』『好きなこと』を聞き出して、それに沿った学習方法を提供できると良いのかもしれません。
子ども自身が『自分で決めたからできる』という気持ちを持てるようになると、学習も続きやすくなります。
おうち英語成功のポイント
Wさんの経験を伺い、見えてきたおうち英語の成功のポイントをまとめます。


まず、「これやってみたい?」「何を勉強したい?」と子どもの意思を定期的に確認し、学習の主導権を持たせることが大切にされているなと感じました。
次に、一つの方法にこだわらない柔軟さです。DVDが合わなくなったらドリルに切り替えるなど、年齢や発達段階に応じて教材やアプローチを変えていました。
また、兄弟でも同じ方法が合うとは限らないことを理解することも必要です。
英語学習には必ず「波」があるため、特に最初の半年は継続する力が試されます。「今は大変でも成長の過程」と長い目で見守り、小さな進歩も見逃さず励まし続けることが停滞期を乗り越えるカギです。
最後に、「英語で答えられたね!」「先生の質問がわかったね!」と小さな成長を具体的に褒め、成長の記録を残して振り返る機会を作ることで、子ども自身が進歩を実感するというのも大切なポイントだなと感じました。
親が伴走者として寄り添いながら、楽しく続けられる環境づくりができるのが理想だと思います。
オンライン英会話のメリット・デメリット
Wさんがオンライン英会話を選んだ理由をまとめると、主に以下の3点です。
- 1対1で話せる機会が確保できる
- 送り迎えが不要で時間を節約できる
- 兄弟で違う会社を選ぶことができる
集団授業では発言の機会が限られてしまう性格のお子さんでも、オンラインであれば1対1で先生と話す時間が十分に確保できます。
そして、教室への送り迎えが不要なため、共働き家庭や下の子の世話で忙しい保護者にとって、時間的な負担が大幅に軽減されるという点も大きな魅力です。
一方で、オンライン英会話にはこんな課題もあります。
- 慣れるまで時間がかかる場合がある
- 親のサポートが初期段階では欠かせない



オンライン英会話は、慣れるまでが勝負。お子さんに合ったレッスンの内容を見つけて、いかに習慣化できるかがポイントなのかもしれません。
まとめ:おうち英語、完璧を求めずに一歩踏み出そう
今回のインタビューをしてみて、英語教育の知識があっても、実際に子どもに教えるのは別の難しさがあることが伝わってきました。
また、「子どもの意思を尊重しながら、その子に合った方法を見つけること」の大切さがよく分かります。
英語学習には「波」があり、それを乗り越えるたびに子どもの成長が見られるという経験は、おうち英語に取り組む多くの家庭にとって励みになるのではないでしょうか。
また、教材を選んだり、英語に触れる機会を作ったりすることも、親の重要な役割。英語力に自信がない親御さんでも、子どもの「伴走者」として、できることはたくさんあります。
おうち英語には、決まった形はありません。お子さんの個性や成長に合わせて、柔軟に、そして楽しみながら、英語に触れる機会を作っていきましょう。
今回の記事が、おうち英語を始めるきっかけや、ヒントになれば幸いです。